亀爺のおたすけ雑談集



@「いんねんに負けたらあかん」の巻   その1

「死にたい」「死にたい」を連発する関東に住む女性Sさん(40才)と知り合った。

夫婦の歯車が合わなくなり、夫と2人の子供を置いて家を出てもう2年じゃと。
一人でアパートを借り、虚ろな何の目的も無い、ただ過ぎるだけの毎日を送っていたんじゃ。

置いてきた子どもの事が気にかかる。毎夜、自宅の子ども部屋の電気が消えるのを遠くの車の中で見てアパートに帰る。お酒を飲んで酔わないと眠れない。やるせない毎日じゃったとさ。

「Sさんをたすけてやってほしい」と、Sの友人から頼まれて、わしが初めてSさんに電話をかけた頃はこんな状態だった。

消え入るような、返事も聞き取れない小さな声。「生きていてもしょうがない。死にたい」と言う。

わしは毎夜9時に電話をかけた。今日も生きていたかと確認するため。安否確認じゃが。電話に出ない日はすっごく心配でわしが眠れんかった。
                                        

ある夜、朦朧とした声で「ありがとうございました。今、薬を飲みました。これで死ねます」とだけ言って電話が切れた。

遠方だけにすぐには行けない。早速に神殿に走り、そりゃぁ真剣にお願いづとめをした。幸い致死量に達せず助かったのじゃ…。

約2ヶ月間、電話で彼女の話を聞いた。神様の話をさせていただきながら一緒によく泣いたものじゃった。歳をとると涙もろくなってのぉー。
                               
それから1ヶ月後じゃ、夜行バスで「別席」を運ぶため、おぢばに帰ってきたんだわ。

この時、わしは初めてSさんと対面したんじゃ。