亀爺のおたすけ雑談集



L「嫁が逃げた」の巻

「嫁が男と一緒に逃げた」と言って、夫の母親が教会へ相談に来た。
母親は「これで良かったと思っているんだ」との事。

よく聞くと、気の進まないままに見合い結婚して早20年。掃除はしない。隣近所の付き合いもしない。親戚が来ても顔を出そうともしない。炊事は自分たち(夫と子供)の分だけで同居の母親のものは作らない。母親はいつも一人寂しく食事をしている。自分さえ良かったらいいの気持ちの嫁であったらしい。

相談と言うのは、
「ああ、清々した。どこかに息子にいい嫁はおらんかね? わしは、あいつが嫁に来たときから気にいらなんだ。あの嫁ならいない方がましじゃ」
母親は、嫁がいなくなってむしろ喜んでいるようじゃった。

「バカじゃの、婆さんわ!」と、わしゃ怒鳴ってしまった。
「神様はな、いんねん寄せて守護すると仰るでな。お前の家にはあの嫁が丁度ええわ、と思ってお前の家に連れて帰ったんじゃが。与えていただいた嫁に不足を言うてはいかん。嫁も借り物じゃ。良い所を見ないで、不足にするから出て行ったのじゃぞ。もし、息子が再婚しても、又、男を作って逃げていくぞ。夫婦は丁度いい者同士が組み合わされているんじゃから。婆さんが何かと口うるさくていかん。まず、婆さんの心を直さにゃならんのお」

「わしが悪いのかい」と婆さん。
「そうじゃ。婆さんが自分勝手じゃからいかん。何でもどんなものも喜ぶ心に、お互いの運命を変えていただけるんじゃ。受ける心で理が変わると教えられるでな」

翌日から、教会の朝つとめに参拝に来るようになった。
「会長様、わたしの心を変えてくれ〜」と。うむむ…。
わしのことを「こりゃ!天理教というとったのに…」ことばも変わったぞ!

「本気かよ!婆さん!」
「本気じゃ!」