亀爺のおたすけ雑談集



C「そりゃ胆石じゃ」の巻

ある朝、おぢばがえりに誘ってあった近所のY爺さんを迎えに行ったときじゃた。

老人夫婦だけの所帯で、しっかり者のN婆さんは水道局の集金係をしている。
お寺のことなら仕事を休んでも行くくせにわしが、天理教の話をするといつも逃げてしまう。

「爺さん、迎えにきたぞー」
玄関を入ると、奥の方で呻き声が聞こえる。
「どうした?」
「婆さんが苦しんどるんだ」
「夜中から背中が痛くて、痛くて」と婆さんが苦しみながら答えた。
「こりゃ、胆石じゃ。痛みを軽くするマジナイをしてから医者へ連れて行ってあげる」
大急ぎでおさづけを取り次ぎ、近くの外科病院へ。

医者は「胆石です。様子を見て午後に手術しましょう」
わしは本人の了解を得て、
「先生、わしゃ天理教じゃ、すまんが、天理の憩いの家病院に紹介状を書いてもらいたい」
医者はすこしムッとしたような顔をしたが、黙って紹介状とレントゲン写真と渡してくれた。わしは、N婆さんを後ろの座席に寝かせておぢばへ走った走った。

憩いの家でも
「胆石です。腐っていて、いつ破裂するか。破れたら命も危ない。とても危険な状態です。車で1時間もよく走ってきましたね。すぐに手術です」

3週間の入院で無事に御守護いただいた。良かった。良かった。

退院後、聞き分けのいいY爺さんは修養科へ。

N婆さんは、「神様にたすけていただいた。会長さんは命の恩人だ」
などと言うとったが、それっきり、それっきりじゃ。もうこれっきりですか〜。ふん。
教会へ来たことがないんじゃ。お寺へは行っとるんじゃがの。

おい、婆さん。そんなに固い心じゃまた石ができるぞぅ。

ま、元気になって集金に歩いとる姿を見てわしゃ満足しとるがのぅ…。