21〜30 こころの道しるべ集(3)
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心も体も健康に 暮らしたいものです
さらに美しく若々しければ 申し分ありません

若さの秘訣――それは「感動」することですね
道ばたの小さな花を見て
木々でさえずる小鳥の声に 
山や ビルにしずむ 茜色の夕日を眺めて
あるいは 恋の歌に 
人の真実(まこと)の心にふれて・・・「感動」する

大自然の不思議に秘められた 神の摂理と
人びとの働きに支えられて
「生かされて生きている」という自覚から
「感動」は生まれます

損得勘定やプライドは 捨て切れないにしても
肩肘はるのは ちょっとだけヤメにして
心しなやかに まわりを見回してみませんか
あなたの「感動」が見つかるかもわかりません

それは いつまでも若さを保つ秘訣なのですから…

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高齢の方が多くなりました
身体は老いても 心は老化せず
明るく生き生きと 暮らしている人もたくさんいます

反対に 若い人でも
物事を悲観的に見て あまり関心を示さず
感動することもなく 心の若さを 失っている人もいます

心の老化を防ぐには
新しいことに 挑戦しようとする努力
人の苦しみ悲しみを 分かろうとする努力
見返りを求めず 社会のために尽くす努力

そして
どんなときも 喜び心を忘れないことですね

自分自身の明日のために
今日から 心掛けていきたいものです

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便利な世の中になりました

ボタンを押すだけで 切符が出て
もの言わなくても スーパーで買い物ができます
一人でも ゲームセンターで遊べます

自分の思いを説明したり
相手を気遣ったりしなくてもよいのですから
楽になったと いえるかもしれません

でも その一方で
夫婦 親子の 会話が途絶え
家庭の絆 人と人の絆が 弱まっています
そして めいめいが 勝手に生きているように思い
自分さえ良ければ という考えに陥ります

便利さの陰に 多くの人の努力があり
目には見えない その働きに支えられて
私たち一人ひとりの 今日の暮らしがあります

便利に慣れた今の生活の中でも
会話のある 温かい社会でありたいものですね

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善人が 不幸に出会って悲嘆にくれ
悪人が 恵まれた暮らしをしていたら
「世の中 なんて不公平なんだ」と腹が立ちます

善い種から 善い芽が生えて
悪い種からは 悪い芽が生えます
蒔いた種どおりに生えるのが 天然自然の摂理です
ただ すぐに芽生えるものもあれば
長く年限のかかるものもあります
福だと喜んだことが のちに禍(わざわい)の元となり
禍だと悲しんだことが のちのちに福を招くことも

今日は昨日から引き継がれています
今月は先月から引き継がれています
今年は昨年から引き継がれています
今世は前世から引き継がれています

かならず 蒔いた種どおりに芽生えます
良き種を蒔いておきたいものです

良き種とは「ひと様が喜ぶ行い」だと教えられました
希望をもって 今日も歩みたいものですね

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「人の不幸は 蜜の味」とか…
他人のスキャンダルは楽しいもの
他人の幸せを素直に喜べないのが本音らしい

残念ながら 人は他人の短所に目がいく
そして ささやかな満足感を得ることもある

他人の長所に目がいけば
人を誉めることができる

人から誉めてもらえる人間になることも大事だけど
むしろ 人を誉めることができる人間になりたいもの

人を誉めることは
相手の素晴らしさを引き出し その人を充分に生かし
まわりの人を さわやかにする

心に 明るさが生まれ 長所を見だす感性が培われて
優しく豊かな心になれる

人を誉めることができる
心の広い人間になりたいものですね

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「俺が働いているからこそ
  お前たちは 暮らしていけるのだ」と 夫
「何を言うの 私が家を守っているからこそ
  あなたは働けるのよ」と 妻
「私が雇ってやっているからこそ
  君たちは 生活していけるのだ」と 社長
「いや 私らが働いてやっているからこそ
  会社は 成り立っているのだ」と 社員

とかく 自分を高く売って 恩に着せ
相手を安く買って 非を責めたくなるものです

「こそ」は自分につけないで
相手の方に付けてみてはどうでしょう

「お前がいてくれてこそ・・」
「あなたがいてくれるからこそ・・」
「社員が勤めてくれてこそ・・」
「社長がいてくれるからこそ・・」

お互いに 相手の働きを認め 思いやるところに
温かい絆が生まれ 助け合いが始まります

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美しく着飾った花嫁の振り袖姿は 
本当にきれいです

人は 美しくなるために
化粧をし すてきな衣装を身につけます

しかし
病院のベットで
振り袖を着て寝ている人はありません

何といっても
健康にまさる衣装はありません

いくら科学が進歩しても
人間は 血液一滴つくることもできません

自分の体の構造 はたらきも
完全には知りません

でも生きているのです

私たちは
目に見えない大きな力に 守られているのです

この力に感謝し
喜びの生活をおくりましょう

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竹の子は

地表に出て わずか一旬(十日)で
竹になることから 「筍」とも書きます

若竹は すがすがしく 美しいものです

でも 今年の竹で 笛や細工物を作っても
ゆがんだり 割れたりして とても使いものになりません

ところが 
3年4年と風雨に耐えたものは
太さなど ほとんど変わらないのに 立派な竹材として使えます

私たちは なにかにつけて
時間をかけることを 惜しんできました

早く早くと 急いで
手間ひまかけることの大切さを
いつの間にか 忘れてしまったようです

長い時間をかけて 一つの課題に取り組む

長い時間をかけて 真心をつくす

時間が「誠」を育て 「誠」が運命を支えます

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私たちには
耳は二つ備わっていますが 口は一つしかありません

聞くことは 二つ聞いて  言うことは 一つで充分だよ
ということでしょうか

争いやトラブルの元は
その逆で  一つ聞いて 二つ言う

すなわち
他人(ひと)の言い分は 半分しか聞かないで
自分の言いたいことは 倍ほども言う

治まる秘訣は
相手の思いは 充分に聞きとり 
自分の主張は ほどほどに・・・

夫婦が治まり 親子が治まり  他人同士が一つに治まります

「耳二つ口一つ」 を よく思案したいものですね

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水泳教室では まず 浮く練習から始めます
水中で 両膝を抱えて 力を抜く
すると 自然に 体が浮いてきます
人の体は水に浮くように創られているんですね

けれども私たちは 浮くことが信じられず
溺れまいとして焦り 力を入れて
かえって 沈んでいくことが多いようです

人間は本来 助け合うことによって
陽気ぐらしができるように 創られています
なのに まるですぐそこに
破滅が待ちかまえているかのように 焦り
我先に飛び出して 幸せを手にしようとします

力ずくで争い おまけに
我欲・エゴという オモリまで付けていては
願う幸せには 浮き上がっていけません

力を抜いて たすけ合って
浮き浮き(ウキウキ)人生を楽しみましょう