51〜60 こころの道しるべ集(6)
-51-

この目で いい物を見れば見るほど いい物が目につき
ますます いい物が見えるようになります
しまいには いい物ばかりが 見えるようになってきます

反対に
悪い物を見ようとすると
次から次へと 悪い物が見えてきて
しまいには 見る物すべてが 悪い物になってしまいます

同じ目をもっていながら
いい物ばかり見る人の幸福と
悪い物ばかり見る人の不幸とは
天と地の違いがあります

「いい物を見る」「いい事を聞く」
このことに努力する人は
幸せで陽気な人生を送ることができるでしょう

-52-

したがることは即座にさせて 嫌がることはさせない
親たちは「何不自由なく育てました」という

そのように育てられた子どもは
自分の欲望を抑えること
待つこと
自分で始末をすること
人をおもいやることができなくて
かえって「不自由」な目に遭うことになる

物欲はもちろん 快楽への欲望や 自己主張への欲望など
思ったら最後 矢も盾もたまらない
時間的 空間的に 距離を置くことができない
今といえば今という風潮にある

人間の自由とは
何でも自分の思い通りにすることではなく
いくつかの選択肢の中から 自らの意志で
「選ぶこと」のできる自由なのだ

選ばなかったものを捨てる厳しさと
選んだことに責任をもってやり遂げる勇気と忍耐

考えて選ばせる躾が今 必要ではないだろうか…

『育てば育つ 育てにゃ育たん』と教えられている

-53-

「行列のできる法律相談所」が高視聴率です
司会者とゲストや弁護士のかけあいがとても面白い

それに影響されたのか
最近では 子どもたちまでが ちょっとした事で
「訴えてやる!」と言うそうです

相手に弱みを見せまい
自分を守るために 相手を攻める
表面をつくろい 非を認めない
謝ることのできない子どもが増えていると聞きます

それが本当に自分を守ることになるのでしょうか

「相手を許す大きな心」と
「素直に自分の非を認める心」で
仲良くたすけ合う幸せな社会となるのでしょうが…


-54-

何と言われようとも
善意として聞けば
悪口にはなりません

欠点を指摘されゝば
素直に「すみません」と
謝ってみましょう

助言、忠告を受ければ
「ありがとう」と
お礼を言ってみましょう

善意のこもる人生に喧嘩はありません
善意の満ちる世界に争いはありません

日々常々に善意を
養っておきたいものですね

-55-

自動車に乗る人が
交通法規を守らなかったら
生命は
幾つあっても足りません
規則を守るから
自分の生命も守られる

人を愛するから愛される
信じるから信じられる

陰に廻って人をほめる人は
人からもほめられる

まいた種は
種通りのものが生えてくるのですね

-56-

今 この瞬間に

交通事故で
大怪我をしている人がいます

可愛い我が子が大病で
悩み苦しんでいる親がいます

家族同士でいがみ合っている
悲しい家庭もあります

あなたはいかがですか?
今 この瞬間…

もし 何事もなく過ごしているなら
かけがえない幸せの中にいるのですね

「感謝 慎み たすけあい」の心を忘れないように

-57-

「叱られた」と思うと落ち込みます

「バカにされた!」と思うと腹がたちます

スポーツでも 学問でも
見込みのある者には 厳しく仕込みます
見込みのない者は 仕込みません

「叱られた」「バカにされた!」を
ちょっと視点を変えてみたらどうでしょうか

「叱られたのではない 育てられたのだ」と

そう考えると イヤな言葉が
むしろ感謝できる言葉に変わります

心しだいで明るく元気に前進できますね

-58-

旬の野菜には
その季節に合った効用があるそうです

トマト キュウリなどの夏野菜は水分が多く
からだを冷やしてくれるものが多く
根菜類が多い冬野菜は からだを温めてくれて
寒さや風邪に効用があるそうです

人生も同じです
たとえそれが苦労が伴う大節であっても
「旬の与え」と喜び勇んで通れば
先々には きっと 心に栄養がつき
楽しみづくめの人生になります

神様は 私たちのからだや心に良いものを
旬々に用意してくだされているのですね

-59-

出世するには三つの「識」がいるという

「知識」「意識」「常識」

「知識」だけあっても「意識」が欠如していてはダメ
「意識」があっても世間の「常識」に欠けていてはダメ
「常識」があっても「知識」がないとダメ

この三つの「識」をバランス良く備え持つことが
出世の秘訣だとか

しかし もっともっと大切なことがある

それは生きていることだ
生きていることが最も尊いことなのだ

意外と感謝を忘れているのでは…

-60-

福沢諭吉は次のように語ったという

「世の中で一番楽しく立派なことは
  一生涯を貫く仕事をもつことです」

「世の中で一番みじめなことは
  人間として教養のないことです」

「世の中で一番さびしいことは
  する仕事のないことです」

「世の中で一番みにくいことは
  他人の生活をうらやむことです」

「世の中で一番尊いことは
  人の為に奉仕し 決して恩にきせないことです」

「世の中で一番美しいことは
  すべてのものに愛情をもつことです」

「世の中で一番悲しいことは
  嘘をつくことです」

まもなく今年も終わろうとしている
改めて反省したいものだ